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会社はいくらで売れるのか?中小企業の企業価値の考え方
経営
M&A最前線 バトンを継なげ!
~第1章 事業承継型M&A~
第2回「会社はいくらで売れるのか?中小企業の企業価値の考え方」
1.経営者が抱く疑問
「自分の会社はいくらで売れるのか?」―事業承継やM&Aを考える経営者の多くが抱く疑問です。
しかし、自社の企業価値を正しく把握できているケースは多くありません。
企業価値は単純な計算で決まるものではなく、財務内容に加え、将来の収益力や組織力など、さまざまな要素によって成り立っているからです。
2.企業価値の基本的な考え方
中小企業M&Aの実務では、企業価値は一般に次の考え方で整理されます。
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時価純資産とは、会社の資産から負債を差し引いた金額を、帳簿価額ではなく時価ベースで見直したものです。
不動産は現在の市場価格で、保険積立金は解約返戻金で評価するなど、含み益や含み損も反映します。
3.営業権(のれん)とは何か
営業権は、決算書に直接表れない「将来の稼ぐ力」を示す価値です。
安定した収益力、長年の取引関係、優良顧客、技術力、ブランド、組織体制などが含まれます。
実務では、非経常的な損益を除いた「正常利益」の数年分を営業権として評価することが多く、一般的には3〜5年分程度が目安とされます。
ただし、業種や利益の安定性、成長性、買い手とのシナジーによって、評価は大きく変わります。
4.企業価値の計算イメージ
たとえば、時価純資産が1億円、年間営業利益が3000万円の会社で、営業権を正常利益の3年分とみると、営業権は9000万円となり、企業価値の目安は1億9000万円です。
ただし、これはあくまで出発点です。
成長性やシナジーが大きければ価格は上がる一方、社長個人への依存が強い、収益の再現性が低い、会計の透明性に不安があるといった場合には、価格が下がることもあります。
5.高く評価される会社、低く評価される会社
安定した利益を継続し、顧客が分散していて、特定取引先への依存が少ない会社は高く評価されやすくなります。
また、社長個人に頼りすぎず組織として機能していることや、幹部人材が育っていることも重要です。
こうした点は、買い手にとって「引き継ぎやすい会社」であることを意味し、安心材料として高評価につながります。
一方で、赤字が続く会社や属人性の高い会社、決算内容と実態に乖離がある会社は、評価が下がりやすくなります。
デューデリジェンスで簿外債務や管理体制の不備が見つかれば、大きなマイナス要因になることもあります。
6.専門家が果たす役割
ここで重要になるのが、税理士やM&Aの専門家の関与です。
企業価値は現時点の数字で固定されるものではなく、不要資産の整理、利益構造の見直し、適正な決算書の整備、内部管理体制の強化といった事前準備によって、大きく改善する可能性があります。
7.大切なのは「価値を高める視点」
大切なのは、「いくらで売れるか」を知ることだけでなく、その価値をどう高めていくかという視点です。
事業承継やM&Aは、思い立ってすぐに進められるものではなく、数年単位の準備が必要です。
だからこそ、早い段階から自社の価値を把握し、将来に向けた備えを進めることが重要です。
(コンサルティングチーム M&Aシニアエキスパート 横田雄三)
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