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インボイス制度 免税事業者の取引、独占禁止法等/コラム:ウクライナの支援金と寄付金控除

~石井会計かわら版 令和4年4月号より抜粋~

 

インボイス制度 免税事業者の取引、独占禁止法等

 

免税事業者の売手Aから買手Bへ課税資産の譲渡等を行う取引関係において、

(1)免税事業者であるAが適格請求書発行事業者とならず引き続き免税事業者を選択する場合のインボイス制度下での影響と、

(2)そのような事業者に対して課税事業者への転換を求める際の独占禁止法や下請法の考え方を紹介いたします。

 

 

(1)Aへの影響

 

Bが一般消費者や免税事業者または簡易課税制度適用事業者である場合

インボイスの保存を必要としないため、取引の影響は生じません。

 

Bが課税事業者(原則課税)の場合

インボイスを発行しないと仕入税額控除ができないため、取引を見直される可能性(課税事業
者への転換要請、取引価格の引き下げ、取引の打ち切り等)

 

 

(2)独占禁止法の考え方

 

免税事業者に対し、課税事業者になるよう要請すること自体は独占禁止法上問題にはなりません。しかし「課税事業者にならない場合は取引価格を引き下げる」、「それに応じなければ取引を打ち切ることにする」などと一方的に通告することや、要請に当たっての価格交渉に応じないといったことは、独占禁止法や下請法上、問題となるおそれがあります。
取引先である免税事業者と取引価格等を再交渉する場合は、十分に協議を行い、仕入側の都合のみで低い価格を設定するといったことがないように留意する必要があります。
しかし、取引先への影響に配慮して経過措置が設けられており、免税事業者からの仕入についても制度実施後3年間は消費税相当額の8割、その後、3年間は5割を仕入税額控除が可能です。

 


【コラム】ウクライナの支援と寄付金控除

 

ロシアのウクライナ侵攻を受け、在日ウクライナ大使館が2月25日に寄附の専用口座を開設するやいなや、15万人以上から寄附金が集まり、3月7日時点で約40億円に達しました。その他団体でも寄附を募る動きがあるなか、ウクライナへの寄附で寄附金の控除が受けられるか否かは、寄附した団体先で異なります。
個人の所得税においては、ウクライナへの寄付団体の一つである日本赤十字社の場合、同団体が特定公益増進法人に該当することから、控除の対象となります。一方で、冒頭の在日ウクライナ大使館への寄付の場合、所得税法で規定する”国”に諸外国は含まれず、最終的な寄付先が国外に当たることから、控除の対象外となります。

また法人の場合、特定公益増進法人への寄付については一般の寄附金とは別枠で寄附金の額の合計額と特別損金算入限度額とのいずれか少ない金額の範囲内で損金算入を行います。一方で在日ウクライナ大使館への寄付の場合、一般の寄附金としての取扱いとなり、損金算入限度額の範囲内で損金算入します。インボイスの保存を必要としないため、取引の影響は生じません。

 

<詳細はこちら(PDF)をご確認ください>

 

令和4年4月

税理士法人石井会計



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