お役立ちQ&A

マンション相続税評価

マンションに係る財産評価基本通達の改正案

Q:タワーマンションの相続税評価が見直しされると聞いたのですが、その内容を解説して下さい。

A:「実勢価額」の6割以上に引上げる見込みです。
1.現行のマンション一室の相続税評価額:

建物(区分所有建物)の価額 =建物の固定資産税評価額×1.0
×
敷地(敷地利用権)の価額=敷地全体の面積×共有持分×平米単価(路線価等)

2.見直しの背景:マンションの相続税評価額と実勢価額の乖離を利用した所謂「タワマン節税」が多く使われ問題視されてきた中、令和4年4月19日の最高裁判決で「タワマン節税」の過度な節税対策を否認した国税側の追徴課税を認めた判決がありました。それをきっかけに、国税庁は算定ルールを見直すこととなりました。

3.改正内容:新たな評価方法は、相続税評価額と実勢価額との乖離について「築年数」「総階数」「所在階数」「敷地持分狭小度」の4つの指数をもとに「評価乖離率」を算出して補正します。相続税評価額が実勢価額の6割に達しない場合は、6割に達するまで評価額を引上げる事になります。具体的算式は以下の通りです。

現行の相続税評価額×当該マンション一室の評価乖離率×最低評価水準0.6(定数)
(注1)「マンション一室」には、総階数2階以下の物件に係る各部分及び区分所有されている居住用
部分が3以下であって、かつ、その全てが親族の居住用である物件(所謂二世帯住宅等)に係る各部分は含まない。
(注2)評価乖離率が約1.67以下となるマンション一室は現行の相続税評価額×1.0とする。
(注3)評価乖離率が1.0未満のなるマンション一室の評価額は次による。
現行の相続税評価額×当該マンション一室の評価乖離率
(注4)不動産鑑定評価書等に照らし評価額が通常の取引金額を上回ると認められる場合は、当該価額
により評価する。
上記の「評価乖離率」は、「①×△0.033+②×0.239+③×0.018×④×△1.195+3.220」により計算したものとする。
①:当該マンション一室に係る建物の築年数
②:当該マンション一室に係る建物の「総階数指数」として「総階数÷33(1.0を超える場合は1.0)」
③:当該マンション一室の所在階
④:当該マンション一室の「敷地持ち分狭小度」として、「当該マンション一室に係る敷地利用権の面積÷当該マンション一室に係る専有面積」により計算した値

4.適用開始:令和6年1月1日以後の相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価から適用されます。又、国税庁HPに簡易に計算できる「マンション一室」の相続税評価額計算ツールが提供される予定です。今後のタワーマンションを含む不動産の取得、相続、贈与の際は新基準による評価を確認する必要があります。

5.対象とならない物件:今回の改正で対象とならない物件は次の通りです。①低層の集合住宅②戸建て物件③一棟所有の賃貸マンション④事業用のテナント等

 

<詳細はこちら(PDF)をご確認ください> ※新しいウィンドウで開きます。

 

令和5年11月

税理士法人石井会計



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